Team Hopesリーダの福本です.
12/12,13に開催されたACTS(あさぎりCanSat投下試験: ARLISS2020代替大会)に参加しました!
自粛が始まった4月から徐々に開発を始めて,8ヶ月…やっとCanSatを投下することができました!
まずは結果報告の前に,Hopesの取り組んだことについて復習しましょう.
Hopesのミッションは「①複数のサンプル採取+②不整地でも走行可能なCanSat」の開発です.
サンプル採取は,近年はやぶさ2や嫦娥(じょうが)5号で話題ですが,惑星探査においてその惑星の性質を解明するための重要なミッションです.そして,同じサンプルでなく異なる複数のサンプルを採取することはより惑星の性質解明の促進に繋がります.
よって①複数のサンプル採取を達成するためには,まずサンプルを別々に採取・保管する機構をCanSatに搭載しなくてはなりません.さらに同じサンプルを採取しないための方法を構築する必要があります.
ただし,今までのサンプル採取は目標地点に到着すれば採取可能であることを想定している場合が多いのではないでしょうか.実際には厳しい不整地の状況での採取(例えば,深い轍の中での採取,タイヤがはまってしまい動けない状況での採取)も想定しなくてはなりません.
そのためには②不整地でのサンプルを可能とするための走破性を担保する機構もCanSatに搭載しなくてはなりません.
しかし,サイズや容量の制限がある中で①と②の機構をそれぞれどう搭載したら良いのでしょうか? それぞれを搭載するのは非効率ではありませんか?
そこで,我々は①と②の役割を同時に満たす機構の搭載を目指しました!
①サンプル採取機構: 2つのサーボモータの角度調整によって採取機構の蓋の開閉と,採取ケースの出し入れをしています.同じサンプルを採取しない方法としては,加速度センサのz軸の値から地表の特徴量を算出し,地表状態の判定するアルゴリズムを構築しました.
②不整地での走破性: サンプル採取機構でも用いた2つのサーボモータを駆使し,目の前の障害物を乗り越えます.例えば坂道に対しては,サーボモータを同時に尺取虫の様に動かすことで乗り越えます.対して段差に対しては,サーボモータを別々に動かし,片輪を持ち上げることで乗り越えます.
※より機構について詳しく知りたい方は後日公開(予定)の技術詳細報告書まで…
ACTS結果報告
内容 | 1st Flight | 2nd Flight | |
ミニマムサクセス | 着地後パラシュート切り離し後,サンプリング地点を巡回し,サンプル採取 | 〇 | ✖(プログラム起動手順の誤りによって,プログラムが途中で終了) |
フルサクセス | 制限時間内(15分)に,ゴール地点より半径5m以内でゴール判定 | ✖(競技時間10分たったらゴールに向かうというアルゴリズムが正しく動作せず失敗) | ✖ |
しかし,ミッション意義等を評価していただき,
プロフェッショナル部門(先生方のみでの審査)で1位
そして
総合(運営+他チーム学生+先生方からの投票)で2位
を頂きました!!
現地での様子
今年はCOVID-19の影響によりARLISSが中止となり,見通しが立たない中,モチベーションを保つのが本当に難しかったのですが,
チームメンバがそれぞれ頑張ったおかげでこのように今年のCanSat開発活動を終えることができました.
私が学会等で忙しい時期,色々なことが上手くいかず悩んでいた時期,何度も何度もチームメンバのサポート力に助けてもらいました….
そして,私たちのやりたいことを尊重し,常に一歩先へ導いてくださる高玉先生には本当に感謝の言葉しかありません.
来年こそはARLISSが開催できるといいですね!
While there is “Hopes”, there are hopes.
2020/12/24 福本 有季子