ARLISS2022 Dolphins 結果報告

どうも!Dolphins チームリーダー 修士1年の戸板です!!
大変報告が遅くなり申し訳ございません!! 遅ればせながら結果報告させてください!!

Dolphinsの概要

 2022年度のARLISSでは「親機が子機群を用いて広域未踏のエリアを安全に探索する手法の提案」というミッションに取り組みました.本ミッションでは機体が親機と子機の2種類あります.想定として,地形データが乏しいマップに対して,親機を最も安全な経路に導きながら探索を進めることが大目的です.そのために,子機がマップを先行して走り,振動やスタックなどから地形の評価データを生成.親機へ送信します.親機側ではマップ各所の走行データをもとに最適経路(最も安全な経路)を算出します.このミッションの達成に向けて越えなければならない壁がいくつかありました.

  • 通信方法の確立
     今回,最も苦戦した部分だったと思います.私たちが使用したLoRaという通信規格は,長距離での通信が可能になることと引き換えに,1回で送信できるデータが少量である制限がありました.それに加え,通信データに頻繁に欠損が生じてしまうため,欠損の検知→情報の再送信のあたりのプロトコルをフィックスするところにソフト班にはかなり頑張ってもらいました.感謝です.
  • 評価方法の確立
     こちらは,子機の話ですね.走行して経路を評価させるにあたって,その方法を模索するのにもかなり時間をかけました.1機体あたりにかけられるコストと処理能力の観点から,加速度センサによる機体の振動データとスタックしたかどうかの2点から評価する方法で,落ち着きました.ただ,砂漠に行ってからその地形特有の評価を可能とするため,現地での実験,評価,調整を余儀なくされたのは記憶にも新しくとても大変でしたね.
  • 機体の量産
     マルチをやるにあたっては避けては通れませんでした.ハード班の方では子機で使用するモーターに低コストかつ走行能力が担保できるものを精査していただきました.また,回路班の方では基盤を最小にするため,センサの配置を両面で行いました.また,量産するにあたって人手不足も深刻な問題でした.早いうちから班の垣根を超えて作業することを意識して,ハード班の頑張りもありどうにか量産できた形です.こちらも本当に感謝.
     

投下結果

  • 1回目
     一回目の打ち上げでは,くしくもパラシュートの切り離しがうまくいかず,,,ローバーの場所へ駆けつけるとタイヤが外れてミッション続行不可能の状態でした.風でパラシュートが引っ張られたことにより,着地判定ができなかったことが原因であり,実際の位置座標記録からも着地地点と発見地点が大きく離れていることを確認しました.
  • 2回目
     二回目の打ち上げでは,1回目の経験を糧にパラシュートの切り離し,タイヤ接続部に改善を施して臨みました.打ち上げ後に機体のある方向を追いかけると,ちょうど着陸し始めるあたりから観測することができました.そして,着陸の判定→通信確立のための待機の段階まで自律的に動くところを確認しました.その後,右の動画にあるように親機からの指示で初期配置に子機が向かいます.この時点でまでは平常に動いていましたが,実際に探索を始める段階から子機の探索方向が不安定になり続々と通信の切断が起こってしまいました.途中ですべての子機との通信が切断されてしまったため,ミッションは探索の途中で終了という形になりました.
1回目投下時,タイヤが外れた親機,,,

Dolphins:結果

Dolphinsの結果は「Technical System Award 2nd」でした!! んん~っ!! 1位ではなかった..けど,賞獲れました!! 今年は今までにないチャレンジングなミッションに設定したので,それが結果になるのはとてもうれしいです.ただし,改善の余地は十分ありました.

  • アメリカでのGNSSセンサの要確認
  • 英語でのプレゼンに不慣れであった

 1点目については上でも触れましたが2回目の打ち上げで,子機が想定外の場所を探索し通信が切断してしまいました.この原因として親機のGNSSセンサが正確な位置データの取得に失敗していたため,想定と大きく違う位置の探索をしていることがわかりました.アメリカに来てから何回か実験を重ねていたものの,日本ではほとんど0にできていたことなので,とても悔しい...
 また,後日行われたプレゼンテーションでは,公の場で初めて英語での発表を行いました.十分に発音などチェックしなかったため,全員に自チームの機体の魅力を伝えきれたかというと少し疑問でした.何とか賞をとれましたがもう少し英語力があればOver all awardの入賞なども狙えていたかもしれません.この経験を糧に今後の英語での発表により磨きをかけていきたいですね.

改めて,チームメンバー

 以上,結果報告でした!! ここまでARLISSの様子を見守ってくださった方々誠にありがとうございます!! 来年度もどうぞご贔屓に!!