OB/OG
Q. ボトルネックとは?
A. 災害が起きた時,たくさんの人が帰宅するために交通機関に殺到しますが,普段通りのダイヤやバス台数では,殺到した人たちを十分に運べません.こうした普段の路線網が人々の流量を制限してしまっている現象を路線のボトルネック化と呼んでいます.
Q. どうして災害時なの? どうしてバス路線なの?
A. 東日本大震災では,鉄道の運転見合わせにより,多くの人が帰宅困難となりました.こうした災害時,路線バスは鉄道の代替として大きく着目されています.高玉先生と御縁のある方の研究に,ネットワーク成長,修正モデルによる公共交通機関の路線網構築法があります.私の研究は,この手法をさらに発展させ,災害時の需要に応えられるような新しい手法とすることを目指しています.
Q. どんな分野の研究になるの?
A. 人工知能の一種であるマルチエージェントシステムを使って研究しています.一本の路線をひとつのエージェント(=代理人:環境を知覚し,知的メカニズムを元に考えて行動する,人間の代わり)とし,たくさん(=マルチ)の路線エージェントに停留所の数・場所や需要数(そこからバスに乗ろうとする人数)といったデータを渡してあげると,エージェントたちがどんどん成長して,ひとつの路線網が出来上がっていきます.良い路線網を生み出してくれるように,「人をなるべく多く運ぶ?」「待ち時間をなるべく少なくする?」「バス台数をなるべく減らす?」といったエージェントの知的メカニズムを考えるのが私の研究です.
Q. カスケードとは?
A. 路線網を最適化しても一定時間に運ぶことのできない人や,そもそもバスを長時間待つのが嫌な人は,災害時のいち早く帰りたいという衝動から,もしかしたら歩き出してしまうかもしれない・・・.こういった,人々が歩き出して他の停留所に流れていく,つまり,需要過多という被害がどんどん拡大してしまう現象をカスケードと呼び,それによる複雑な需要数の変化に対応して路線網を最適化する手法を研究しています.
全体的に明るい雰囲気で,笑いの絶えない研究室です.
今はパズドラが流行ってるみたい・・・.
忙しいながらも学生一人ひとりの研究に対しとても熱心に指導してくださいます.
どんな話にも丁寧に耳を傾け,常に学生の成長を第一に考えて的確なアドバイスをくださいます.